大学やダブルスクールの学費を自分で用意しなければならない学生にとって、低金利と言われる教育ローンは魅力的に映るでしょう。国や金融機関が提供する教育ローンの金利や条件、お金を借りる方法をはじめ、実際に学生本人名義で教育ローンを契約することができるのかを詳しく解説します。

1申込基準ってなに?どんな条件があるの?

日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)では、学生本人の生計を維持する両親のうち1名が申込人になるのが基本です。申込人の雇用形態に制約はありませんが、世帯年収には上限が設けられています。

上限額は申込人の世帯が扶養する子どもの人数によって変動しますが、例えば学生本人だけを扶養する給与所得者世帯だと、自宅通学の場合は年収790万円以内、自宅外通学の場合は条件緩和措置が適用され年収990万円以内です。

所得の下限は設定されていないものの、借入額を15年以内で返済することを求められているので、最高利用可能額350万円を借りた場合には毎月2万2千円程度を返済できるだけの所得を求められます。

また、両親から仕送りを受けず独立した生計を営んでいて、なおかつ安定継続した収入を得ている成人(満20歳以上)の学生であれば本人申込みも可能ですが、申込みを受理するかどうかは日本政策金融公庫の担当者判断になります。

収入が少ないと借入金額が少なくなるって本当?

国の教育ローンでの借入金額の上限は350万円以内ですが、申込者の年収を基に個別に決められます。借入可能額を決める際には返済比率(返済負担率)が指標とされますが、年収の20~25%が無理なく返済できる割合と言われています。

返済比率は「年間の返済額÷額面年収×100」で算出することができますが、額面年収は源泉徴収票の「支払金額」と考えればわかりやすいでしょう。

例えば教育ローンで300万円を借りて15年で返済する場合、利息を考えずに返済比率を計算すると、年収400万円の人では(300万円÷15年)÷400万円×100=5%、年収200万円の人では(300万円÷15年)÷200万円×100=10%と、年収が少ないほど返済負担が増すことが分かります。

したがって、年収(収入)が少ない場合には必要な金額を借りることができないケースも考えられます。

また、年間返済額の中には教育ローンでの融資額の他にクレジットカードや消費者金融の借入額も含まれるため、他の借入れが多い場合はさらに借入可能額が少なくなります。

民間金融機関なら本人の教育ローンを借りる事が出来るの?

民間金融機関の教育ローンの場合、イオン銀行のように学生本人の申込みをNGとする銀行がある一方、三井住友銀行や楽天銀行のように安定収入があることを条件に学生本人が申込み可能としている銀行も少なくありません。

高額の融資に対応していたり、金利優遇制度が用意されている等借入条件も金融機関によってまちまちです。

借入可能額を決定する保証会社の仮審査と融資を実行する銀行が申込み内容と必要書類との矛盾点がないかをチェックする本審査の2段階審査を行う金融機関がほとんどですが、国の教育ローンと異なり、人物像のチェック度合いは少ないです。

また、金利に保証料が含まれているので、融資金から保証料が差し引かれることはありません。

国の教育ローンは資金使途は自由なの?制限はある?

国の教育ローンで借りたお金の使い道は、高校以上の教育施設に通学するために必要な費用と決められていますが、入学金や授業料に限らず教育に関連するものであれば事実上使い道は自由と言えます。

大学進学前を例に考えると、高校在学中の塾費用や模擬試験代、大学の受験料や受験時の交通費・宿泊費も使い道として認められています。大学合格後であれば、パソコン購入代金や講義に必要な教科書代、ダブルスクールの学費も対象ですし、アパートの敷金・家賃についても利用可能項目として日本政策金融公庫のホームページに明記されています。

浪人生が通う予備校の授業料も教育ローンでまかなうことができますが、大学の聴講生のように教育機関に学籍がない場合や防衛大学校のように入学と同時に公務員の身分を得る場合には教育ローンの対象外となるので注意が必要です。

教育ローンを学生本人が借りるのは現実的には厳しい・・・

学生本人が教育ローンを借りることができる場合でも、進学先によっては本人申込みを断念せざるを得ないケースも考えられます。

例えば海外の語学学校に通う場合、就学ビザで渡航するため現地での就労に制約が伴うことから学生本人が独立生計を営むことは困難です。

進学後に両親が返済すると確約している場合でも、教育ローン申込みの際に進学先がわかる書類を提出するため、その時点で本人申込みはNGとなります。

また、国の教育ローンの場合には返済能力に関わらず、学生1人あたり350万円以内の融資と決められていることと申込人の年収だけで借入可能額を決められるので、追加で資金が借りられない場合も考えられます。

両親の仕送り額を年収に含めようとすると独立生計の条件を満たさなくなり、本人申込みが不可となる点に留意が必要です。

おすすめの記事